長崎県立大学 映画研究会SeaCaT

八十年前、この長崎の空を裂いた閃光は、数知れぬ命と日々の営みを一瞬にして奪い去りました。私たちは、その惨禍を直接は知らない世代です。
それでも、この地に立ち、風を受け、夏に向かって天を仰ぐ立派なひまわりを見つめるとき、過ぎ去ったはずの時が、静かに現在へと流れ込み、確かな温度をもって胸に迫ります。

 本作では、一枚の写真を軸に、時を越えて受け継がれる記憶と、その奥に息づく命の尊厳を描きました。写真はやがて色褪せます。しかし、そこに封じられた祈りや願いは、形を変えてもなお、生き続けます。

 我ら若き世代は、その響きを受け取り、再び語り継ぐ責を負います。
この作品が、皆さまの胸に静かにして確かな花を咲かせ、平和への志を揺るぎなく支える一助となることを、心より願っております。

 ここに、原子爆弾により命を落とされた全ての方々、深い悲しみを抱えながら歩んでこられたご遺族、そして今なお被爆の記憶とともに生きておられる方々へ、衷心より敬意と哀悼の意を表します。


令和七年八月九日
映画「今日も咲く花のように」製作チーム

1 month ago | [YT] | 8