ねこと音楽 / Cats & Music

【永遠のイルミネーションの森】
明日20時に投稿いたします。

🎄もし時が止まる森があったのなら、そこで暮らしますか?
 それとも元の場所の限られた時間で何かをしますか?


1年のうちで森が一番輝く月がやってきました。
12月になると、森は星がふり積もったかのように、光りをまとい輝きます。

満天の星空と、舞い落ちる雪、そして優しく光るイルミネーション。それらが完全に調和した世界が広がっています。
光に満たされた森は、深い静けさを保っていました。

黒い服のねこは、細い前足の指先をわずかに動かし、地面に積もった光の粉を払いました。
隣に立つ白い服のねこは、その動作を追うように、目をわずかに下へ向けました。

「ここでずっと、こうしていられますか」

白いねこは、白く輝く木々のシルエットを、吸い込むように見つめました。
彼が望むのであれば、全てを捨てこの森で永遠に彼と暮らすつもりでした。

白いねこは、目を閉じたまま、答えを待ちました。
まぶたを通して、イルミネーションの光の点滅を感じます。

彼らが知る限り、この森には、時間や暦といったものは存在していませんでした。
永遠を望むものたちが、12月にこの森を訪れ、あるものは残り、あるものは戻っていきます。
残ったものは、この森で暮らします。ただ12月のこの季節にだけ、この森を光り輝かせる仕事をします。
それがこの森の掟でした。

そのとき、遠い空のどこかで、何かが打ち鳴らされるような、微かな音が響きました。
二匹のねこは、音のする方向へ、同時に耳をわずかに立てました。しかし、すぐにその動作を止め、再び、目の前の光の景色へと意識を戻しました。

黒いねこは、正面にある光の塔の頂点、強く瞬く一つ星から視線を外しませんでした。
そして、一拍の間を置き、答えました。

「それは、できません」

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この続きは、本編の概要欄で読めます。
ぜひイルミネーションの森を訪れてみてください✨

3 weeks ago | [YT] | 109