日本史の余談ですが 

先日、山梨のぶどう栽培について紹介しましたが、そのときいただいたコメントで知った山梨銘菓「月の雫」について。

この、ぶどうを使ったお菓子をちょっと調べたところ、なんと#明治時代 の全国特産品ガイドブック(『大日本物産図会』)にもその名前がありました!

明治時代にはすでに有名だったんですねぇ。

ちなみになんと書いてあるかというと
「葡萄は山梨群岩崎村に産ずるを殊(こと)に好(よし)とす。つる草にして
春花を開き、秋実を結び垂れおりて藤花のごとし。熟するによりて雅客、棚下にあつまり盃をかたむけ、その席空にある。葡萄をことごとく求むることをなさしむ。また近年多くぶどう酒、干しぶどう、月の雫を製す」

このガイドブックは明治10年につくられたものなのですが、その頃にはすでにワインや干しぶどうなんかもつくっていたんですねぇ。びっくり。

ちなみに「月の雫」は、甲州ぶどうを糖衣でひとつぶずつコーティングした和菓子。上品な見た目もさることながら、口に入れたらまさかのフレッシュなぶどうというおどろきはたしかに名物になるポテンシャルしか感じられません。

現代でも山梨銘菓として有名で、購入もできます。

さらに調べたところ、#幕末 につくられた甲斐の名所・名物双六にもその名が!

「極製月の雫」とあり、まるで玉手箱のような立派な箱に入っています。
贈答品として人気だったのでしょうか。

「月の雫」がいつどのように誕生したのかについては諸説あるそうですが、幕末にはすでにその名が知られていたと考えてもよいのではないでしょうか。

余談ですが、この双六は#歌川国芳 とその門人たちによる作品で、「甲斐の馬」のコマを担当したのは国芳の長女(とり)。「国芳女(むすめ)十才とり女」と書かれています。つまり、このとき10歳(!?)です。

1 week ago | [YT] | 259