あつお

【カルスって何?】
~植物の“再生工場”の正体に迫る~

挿し木や接ぎ木をしているとよく耳にする「カルス」。
名前は知っていても、実際にどんな働きをしているのか、詳しくは知らない…という方も多いのでは?

今回は、植物が持つ“驚異の回復力”の秘密、カルスの正体と役割について、少し学術的に、でもわかりやすくご紹介します!

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■カルスとは?
カルス(callus)は、植物の傷口にできる未分化細胞のかたまりです。
人間でいうところの「かさぶた」や「再生細胞」に近く、この細胞たちは、まだ根にも芽にもなっていない“予備軍”のような存在です。

カルスは、植物が傷を修復しようとする過程で発生し、その後の発根や接ぎ木の癒合など、回復・再生の第一歩になります。

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■カルスができるまでの流れ
1. 枝を切る・接ぎ木するなどで植物が傷つく
2. 傷口から周辺の細胞が反応し、細胞分裂を開始
3. 未分化の細胞(カルス)が集まり、組織が盛り上がるように形成
4. 環境条件とホルモンの作用で、根や芽に変化する(=分化)

このプロセスの中で特に重要なのが、植物ホルモン**「オーキシン」**の働きです。
このホルモンが濃度の高い部分に集まり、発根を誘導します。

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■カルスができると安心?
実はそうでもありません。
カルスができても、それが根や芽に分化するとは限りません。
つまり「カルス=成功」ではなく、「カルス=スタートライン」というイメージが正確です。

成功させるには:
• 温度(20~25℃)
• 湿度(乾燥させない)
• 酸素(通気性の良い土)
• カルス形成後の管理(乾燥、カビ防止など)

これらが重要なポイントになります。

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■果樹でもカルスはできる?
はい、もちろんできます!
イチジク、ブドウ、カキなど、枝がしっかりした果樹でもカルスは形成されます。
ただし、果樹の場合はカルスができても発根に時間がかかることが多く、「カルスはできたけど、その後が難しい…」というパターンも少なくありません。

特にイチジクはカルス形成→発根の流れが比較的スムーズなので、初心者にもおすすめです。

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■カルスを早く・きれいに作るには?
・切り口を清潔に保つ(カビ防止)
・湿度のある環境(ビニール袋で覆うなど)
・適度な温度管理(加温マットも効果的)
・発根剤の使い方に注意:ルートンなどの植物ホルモン剤はカルス形成の助けになりますが、
 ※食用の植物には使用を控えるのが一般的です!

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カルスは、植物が自分で命をつなごうとする力の証。
目には見えにくいけれど、そこにはとてもドラマチックな再生の物語があるんですね。

このチャンネルでは、そんな植物の不思議をわかりやすく、楽しくお届けしています!

今後、メンバーシップ限定動画では、
カルスができてから発根・発芽に至る過程をじっくり観察した記録や、各果樹でのカルスの違いなど、より深い内容を投稿予定です。

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最後に質問です!
① カルスとは、どんな細胞が集まってできたもの?
A. 完成した根の細胞 B. 未分化の細胞 C. 葉の細胞

6 months ago (edited) | [YT] | 14