まだ夏の暑さが残る頃。トリニティ総合学園の中を私は走っていた。 「まさか電車が遅れるなんて……!それにしても、こんなに広かったっけ……!?」 ティーパーティーとの約束の時間までまだ少し余裕はあるが、今日は大事な会議も予定されている。時間ギリギリになるのは避けたかった。 何とか走り回ってティーパーティーの部室に辿り着く頃には全身汗だくで少し気持ち悪い。一度呼吸を落ち着かせてノックをしようとした時に後ろから声をかけられた。 「あれ?先生!?」 驚いて振り返ると、そこにはナギサ、ミカ、セイアの3人が立っていた。よく見ると全員薄らと汗をかいている。 「みんなどうしたの?」 「えっと……」 質問を投げかけるとナギサがバツの悪そうな顔を浮かべて目線をそらす。 「なに、この間の爆発事故の件でね。ティーパーティーの保有施設なんだが、お目こぼししては示しがつかない、という事で私たちも罰として草むしりをする事になったんだよ」 セイアが補足説明をしてくれる。 「うぅ…私はまたご迷惑を……」 「もう!ナギちゃんは考えすぎだよー!!」 部室の前でキャイキャイと騒ぎ出す3人の少女たち。校舎のこの区画までやってくる一般生徒はそこまで多くはないが、あまり騒ぐのも迷惑だろう。そう思って、中に入ることを提案してみたのだが。 「えーっと…」 今度はミカが目線を逸らす。 「どうかしましたか?ミカさん」 「その、私今汗だくだし?ちょっと着替えとかシャワーとか浴びたいな〜って……」 「ふむ、では私も着替えさせていただこうかな。構わないかい?」 「お2人とも、既に先生がいらっしゃってるんですよ?」 「だからだよー!!!」 ミカの絶叫が響く。年頃の乙女がそういう事を気にするのは私だって理解していないわけじゃない。 「私は気にしないから、行っておいで」 そう言うとミカとセイアは味方が増えたことに喜びつつ立ち去っていく。 「ナギサはいいの?」 そう問いかけると彼女は少し考えた後にこう言った。 「……少し、先生にお話したいことがあります」 そして、部室の中。紅茶を用意しようとするナギサを手で制してから単刀直入に切り出す。 「ナギサ、私に話したい事ってなにかな?」 「えっと…その、この間の事故のことです。私はミカさんやセイアさんにまたご迷惑をかけてしまって…」 どうやら思っていた以上に気にかけているらしい。 「迷惑…本当にそう思っているのかな?」 「で、ですが!ミカさんは私を楽しませようとしてくださいましたし…セイアさんも、今回の件では無関係です。なのに、私のせいでお2人も罰を受けることに……」 「少し質問を変えてみようか。ナギサは…そうだね、例えばミカが何かをやってしまった時にナギサは迷惑だと思うかな?」 「い、いえ…たしかに、ティーパーティーとしては思うところはありますが、私は迷惑だとは……」 「きっと同じなんだよ。それでもナギサが気になるなら、2人にちゃんと謝って許してもらうんだ。1人で抱え込むのはナギサの悪い癖だよ」 「あ……は、はい……」 少し厳しい言葉になってしまったが、久しぶりに先生らしい事ができたかな?そう思っていると、ナギサが私に頭を預けてくる。 「ナギサ?」 「先生は…こうされるのはご迷惑ですか?」 その聞き方はズルいと思った。 「いやでも、ほら、走ってきたから汗臭いし……!?」 「ふふ、汗臭いだなんて。先生からはまるで太陽のような素敵な香りがしますよ」 どこか気恥しさも感じながら、私は思わずナギサの髪を手に取り匂いを嗅いでしまう。 「あ、先生…私も汗をかいていますから…」 「ナギサからは、花畑の香りがするね」 そう言うと彼女は慌てて距離をとる。恨めしげな目線を向けてきたあとに彼女はクスっと微笑んだ。 「そういえば先生、この間セイアさんから聞いたのですが…互いにいい香りのする相手とは遺伝子レベルで相性がいいそうですよ」
1 month ago
| 12
あぁ、あぁ。 「すんすん……♡すんすん……っ♡」 あぁ、嗚呼。 「くんくん♡はぁ……っ♡」 私、私は。 「んっ♡くんくんくん……♡んっふ……♡」 私は──── 「はぁっ……♡はぁっ♡」 なんと惨めで、愚かで─── ──幸せ、なのでしょうか。 事の発端は些細なこと、だったと思います。 グズグズになった私の頭ではもうはっきりとは思い出すことはできませんが。 ミネ「はい、マリーさん。こちらが以前お話した点鼻薬になります。」 マリー「あ、ありがとうございます……!」 私、伊落マリーは季節の変わり目に風邪をひいてしまい……中でも効きが良いと自負していた鼻がすっかり詰まってしまい、匂いが判別しにくいどころか夜は寝苦しいほどになってしまいました。 たまらず救護騎士団の方々に相談したところ、団長のミネ様直々に「非常に良い点鼻薬を知っている」とお声かけ頂き、取り寄せが出来たとの報せを受けて本日頂戴しに参りました。 ミネ「お加減はいかがですか?」 マリー「熱などはすっかり下がったのですが、やはり鼻だけが……うぅ」 ぐじゅぐじゅと鼻を啜っても大して通りは良くならず。時たま「プィー」となんとも間抜けな音を立てながら若干の空気を取り入れるのが精一杯でした。 ミネ「朝目覚めてから1回。お昼頃に1回。寝る前に1回の1日3回を目安に使用してください。もしもアレルギー反応のような症状やその他気になる副作用のようなものが出たらすぐに使用を辞め、報告してください」 マリー「はい!何から何までありがとうございます、感謝致します」 何はともあれこれで楽になる……かもしれない。 藁にもすがる思い──と言ってしまうと、確かな腕を持つミネ様に失礼かもしれませんが、一縷の望みにかけてこのお薬を使ってみることにしました。 それからというもの、私は欠かさず1日3回点鼻薬を打ちました。 最初は慣れない鼻への薬の注入に手間取り、鼻の中のソワソワとした感触がくすぐったく思えましたが、数日すればそれにもすっかり慣れました。 みるみるうちに鼻の通りは良くなり、頂いたお薬の残量が半分になる頃には風邪を引く前よりも鼻がよく効くようになったとさえ感じていました。 マリー「ふん……♪ふんふん……♪」 すっかり調子が良くなった私は、今日という日を無事に迎えられたことに感謝しながら早足で道を歩いていました。 月に数回のシャーレ当番の日。お慕いして止まない先生と長い時間一緒に居られる数少ない好機の日。 昔の私なら、平等、公正、滅私奉公を美徳としていた頃の私なら、好機なんて言葉を使うことは無かったのでしょうが……先生と出会い、たくさんの時を共に過ごして、少し─ほんの少し悪い子になった私は、他の何者の手が入ることなく二人で先生とお仕事をできる当番の日を他にない楽しみとしているのは確かでした。 マリー「先生、マリーです。当番に参りました」 執務室に入る前の挨拶はいつも緊張します。 努めて冷静に、いつも通りにしているつもりなのですが……以前サクラコ様と共に訪れた際に私が入室のご挨拶をした所 サクラコ「ふふ、マリーは余程先生に会えるのが嬉しいのですね?声が弾んでいて楽しそうです」 とニコニコ微笑みながらご指摘なさるので、なんとも恥ずかしい気持ちになったことは記憶に新しいです。 “マリー!いらっしゃい、いつも通り鍵は開いているから入っておいで” 先生の声がします。いつも私達生徒を暖かく、優しく受け入れてくださる先生の声……一言お声を聞いただけでフードの中の耳がピクピクと動いてしまうのはきっと気のせいでしょう。気のせいだと思いたいのです。 マリー「それでは失礼しますね」 私はそろりとドアを開けて執務室へと一歩踏み出しました。 さて、今日も当番として先生のお手伝いを精一杯─── ───ん? なんでしょう。この違和感…… なんだかいつもよりむず痒いと言いますか……落ち着かないと言いますか…… 一歩、また一歩と先生の近くへ寄る度に違和感は大きくなっていきます。 次第にそれは疑問から確信へ……明らかにいつもと何かが違うのです。 ──ドクン……ドクン…… だめ、いけません。落ち着きなさい伊落マリー。 先生の声とお姿を拝見しただけで鼓動を高まらせるなんて、いくらなんでもはしたなくはありませんか? “マリー、今日も来てくれてありがとう!早速だけでお仕事をお願いしてもいいかな?” マリー「は、はい!もちろんです……!」 今度は先生から、一歩、また一歩と私に近づいてくれます。 ──ドクンドクン……ドクンドクン…… ふわっ マリー「ふにゃっ!?」 な、なんです!?書類を渡すために私の目の前に先生が立った途端、せ、先生からとてもいい匂いが……香水や食べ物の良い匂いとは違う、脳と心臓をわし掴みにされるような── “マ、マリー!?顔が真っ赤で……ど、どうしたの!?大丈夫!?” マリー「あ、せ、せんせ……わたし、わたし、は……」 “い、いけない……!熱がぶり返したのかもしれない!急いで横になって!” マリー「はぇ……?」 先生は私の手を取り、どこかへ連れていきました。 ふわふわと視界が揺れ、ぱちぱちと頭の中で何かが弾けます。 “ごめんね、マリー……1番近い部屋がさっきまで私が仮眠していた部屋で……ここでも大丈夫かな?私が使った後の部屋で申し訳ないんだけど……” マリー「だ、大丈夫れす!はい!」 先生が改めて私の手を取り。 軽く、あくまでも優しく労わるように引っ張って。 ベッドに……座らせて……沼に沈み込むように横になった私に……掛け布団を─── マリー「んぅぅぅぅ……♡あぁ……っ♡」 なんです!この濃厚な香りは……!い、いけません!こんなの、こんなっ── マリー「ふぅーっ♡ふぅっ……♡」 “マ、マリー……苦しそうだ……ごめんね、この間まで風邪を引いていたのを知っていたのに、私が無理を言って当番に来てもらったばかりに……本当に申し訳ない” ち、ちがうのです!これは、なんだかそういうことではなく! あ、あ、あっ♡だ、だめっ♡に、においが♡あたま、ぬりつぶされ♡ こ、これ!せんせいのにおい♡せんせいのふぇろもんです♡あぅ♡ 私は声を出すことも出来ず、ただただ悟られまいと小さく身じろぎをすることしか出来ません。 “少し待っていて、救護騎士団のみんなに聞いて薬や必要なものを用意してくるよ、少しの辛抱だよ、マリー” 極めて優しく、しかし申し訳なさを秘めた声で先生が私に告げます。 私はというとそれはもう本能の波に抗うことに必死でまともな返事など出来るわけもありませんでした。 ⬇続き
1 month ago
| 11
カンナ『…』ゴクリ 私は今、理性と本能の間で揺れ動いている。 私のような動物の見た目を持つ者はその動物に近い感性を持つとされる。 私は犬系の耳を持ち鼻も良く利く。その為現場では目に見えない匂いという証拠から事件解決を行うこともあった。 そんな私は今自分がこんな見た目で生まれたのを後悔している。何故なら… カンナ『せ、先生の脱ぎたてのシャツ…』ゴクリ 私の前には片想い中の男性であるシャーレの先生が脱いだであろうシャツが置かれていた。 無造作にソファにかけられたそれは普通の人間からすればただのシャツにしか見えん。が、私には神々しく輝くお宝に見える。 因みにここは先生の自室。少々用事があり先生の元へと馳せ参じた。 先生には事前に鍵は空いているから入ってくれと言われているので問題はない。 だがここに来て私は今大変な事態に直面している。 カンナ『おそらく帰宅後着替えている時に私から連絡が来て訪問を許されたのだろう。』 カンナ『だが、何か急用があって部屋を留守にした。そこへ私が来て今に至る…と』 私は自身の気を落ち着かせるためここに来た経緯を自分で思い返し、自分なりに推理した。 そして出来るだけ視界に入れぬよう目をそらす。 カンナ『…』チラッ ダメだ…!目は離せても鼻がどうしても反応してしまう。本当に憎たらしい…しかし、心の奥底ではこの体に産んでくれた両親に多大なる感謝をしている。 カンナ『いかん…いかんぞ尾刃カンナ!いくら部屋に一人とは言え、その状況を利用して先生の私物に鼻を擦り合わせ、尚且つその中で深呼吸など…先生に見られたらどうなるか!』 …いかん、自分に言い聞かせるつもりがつい想像してしまった。 カンナ『だが、この絶好のチャンス…逃して良いものか?今ここでこっそり嗅いで匂いを記憶しておけば、後は一人の時に…』ムズムズ 何処がとは言わないが何やらムズムズしてきた。 くっ…私はどうしたら。 カンナ『ここでせずに後々後悔するか、それとも一時の欲望に身を委ねるか。』 カンナ『警官として、一時の欲望に身を委ねるなどあるまじき行為…だが私とて一人の人間。時には本能の赴くまま突き進む事もまた大事…』 カンナ『あぁ…どうしたら良いんだ!』 先生『そんなに欲しいなら1着くらいあげるよ?』 カンナ『し、しかしそのような事は…!』 カンナ『…』 先生『…』 カンナ『…先生、いつからそこに?』 先生『いかん、いかんぞ尾刃カンナ!辺りからかな?』 カンナ『…』 カンナ『…先生』 先生『ん?』 カンナ『…これから私は自らの頭を撃ち抜き、川へと身を投げます。どうか私の事はお忘れを』 先生『待て待て待て!』 カンナ『お離しください先生!後生です!せめて生き恥を晒さずこの世から去る私をお見送り下さい!』 先生『いやいや!出来ないからね!?』 カンナ『何故ですか!?私は今一番聞かれたくない相手に恥ずべき事を知られました!』 カンナ『そんな私が何故のうのうと生きられましょうか!』 カンナ『先生だって絶対今引いてますよ!私には分かります!』 先生『…引くわけ無いじゃん。』 カンナ『…はい?』 先生『カンナみたいな綺麗な女性が私のようなおじさんに対して、そこまでしたいくらい好きだって知ったんだよ?』 先生『引くような最低な真似しないよ。』 カンナ『』 カンナ『///』ボッ 先生からのまさかの発言に顔は無論耳の先まで真っ赤になるのを感じる。 カンナ『ほ…本当ですか?』 先生『嘘は言わない。』 カンナ『///』カーッ カンナ『で、ですがやはり先生の大切な服をいただくのは気が…』 先生『なら、私をカンナにあげるよ。』 カンナ『…』 カンナ『!?』 鼻もよく利くがこの大きな耳も自慢だ。小さな音も聞き逃さない為、様々な場面で役立つ。 そんな私の耳に信じられない言葉が聞こえた。 カンナ『い、今なんと?』 先生『だから、私をカンナにあげるって言ったんだ。』 カンナ『』 どうやら聞き間違いではなかったようだ。もし聞き間違えたとしたら今すぐにでも耳鼻科へ向かうところだ。 …あ、今日は休診日か。 カンナ『…そ、そそそ!それはつまり…その…何ですか?///』 先生『…じゃあ言い換えるよ。尾刃カンナさん。私とお付き合いして下さい。』 カンナ『』 先生『そうすれば心行くまで私を堪能できるよ。誰かに後ろ指差されることなく…ね。』 カンナ『』 あぁ…幸せとはこう言うことなんだろうな。正に幸せの絶頂だ。 カンナ『…よろしいのですか?』 先生『何が?』 カンナ『恐らく2人っきりの時はほぼべったりです。』 先生『うん』 カンナ『夏の暑い日であろうと、冬の寒い季節に厚着して蒸れていようが』 先生『構わない。』 カンナ『…本当に?』 先生『男に二言はない』 カンナ『…』 カンナ『スー…ハー…』 先生からの言葉を聞き改めて心を落ち着かせる。 カンナ『分かりました。先生の決意、この尾刃カンナしっかり受け止めました。』 カンナ『では私からも。』 カンナ『よろしくお願い致します。』ペコッ 先生『此方こそ』 カンナ『で、では!』ガバッ 先生『うおっ!?』ドサッ カンナ『さ、早速堪能させていただきます!///』ハァハァ! 先生『カ、カンナ?息が荒いよ?』 カンナ『致し方ありません!今まで一人で慰めていたのですから!』 カンナ『ようやく仲が進展したのですから、興奮せずにいられましょうか!?///』ハァハァ! カンナ『もう、我慢しなくて良いと思うと、理性が吹き飛び本能のまま先生を貪り…いや、隅々まで嗅ぎ尽くす所存!!』フーフー! 先生『』 先生(今更ながら自分の発言を後悔した…) 先生『カ、カンナ?』 カンナ『はい!』 先生『出来れば…優しく…』 カンナ『無理です!』 先生『ですよね~…』 カンナ『では…いただきます!』ガバッ 先生『ひ、ひぇー!!』 こうして私は飢えた獣のように先生を襲い、先生の匂いを全身余すことなく記憶するのであった。 ~数時間後~ カンナ『先生、本当に申し訳ありません!』 先生『気にしないでカンナ…私なら平気…だから』ボロッ 今私はソファに横たわる先生を前に土下座をしている。 額が床にめり込むかと思う程に深々と。 あれから数時間後、私は急に冷静になり眼前の光景を改めて見た。 部屋のそこかしこには2人の衣服等が散乱。 震えながら先生がいるであろう方を見るとそこには、小刻みに揺れながら顔を赤らめ身体中の至るところに傷跡をつけた先生が横たわっていた。 カンナ『あ、あぁ…!』 やってしまった!私はなんと言うことを! お付き合い出来た事に舞い踊り、ただただ本能のまま先生を襲ってしまった…! そこから私は素早く動き、まず先生をソファに寝かせ、布団を被せ散乱した衣類をお互いの分で分け綺麗にする。 少々汚れてしまった部分も綺麗にし先生が気がつくまで待つ。 …その間に少々堪能したのは内緒だ。 続きは返信欄へ
1 month ago (edited)
| 20
ヒナ「あぁ…先生の香り…落ち着く」 (クンクン) 先生「何回嗅いでも、お日様の香りがする…いい♡」 (スンスン) アコ「(え?委員長?先生?なんで嗅ぎ合って…)」 アコ「許せぇぇぇぇぇん!私もヒナ委員長を嗅ぎたいのに!あの男ぉー!」 ヒナ「アコ、うるさい」 アコ「ぁ…委員長」 先生「まさかそういう趣味があったなんて…見損なったよ…」 アコ「(ど、どの口で…)」 アコ「すいませんでした…」 ヒナ「ちゃんと反省したなら、早く下がりなさい」 アコ「はい…」 先生「…続きはまた後でね、ヒナ(小声)」 ヒナ「えぇ///(小声)」 アコ「…💢(イライライライラ)」 終わ
1 month ago
| 5
セリナの場合 雨の中を急いで走りながらシャーレのビルに駆け込む。 セリナ「はぁ……はぁ……困りましたね。急に雨なんて……。私達二人とも傘は持っていませんでしたし……。」 「でも、本降りになる前でよかったね。」 入口の扉から外を見ると雨は先程よりも強くなっており、ザアザアと音を立てて無数の雨粒が地面を叩いていた。 セリナ「このままでは風邪を引いてしまいます。早く休憩室へ向かいましょう!」 休憩室に着くと、セリナが上着を脱がせてくれた。 セリナ「上着、いつものところに掛けておきますね。」 そう言って上着をハンガーに掛ける直前、鼻で息を吸い込む。 セリナ(雨に濡れた時の香り……いい匂い……。) いつからか先生の匂いの虜になっていた。もっと匂いを堪能したかったが、匂いを嗅いでいるところを見られたり、先生に風邪を引かせるわけにはいかないので足早に先生のところへと向かい、タオルで先生の髪を拭く。そのタオルも先生に気づかれないようそっと匂いを嗅いだ。その後は身体を冷やさないよう、部屋の暖房をつけ、ソファの上に先生と隣り合って座り、まったりと過ごす。ほとんど密着している状態だった。 「……?セリナ、距離近くない?」 セリナ「効率良く身体を暖めるためです。しばらくこのままでいましょうね。」 セリナ(この距離だと先生の匂いを存分に感じて、気持ちが落ち着きます……。) 大好きな人の匂いで、気分が蕩けていく。同じ幸せを先生と共有したかった。 セリナ「あの、先生……。先生は私の匂い……好きですか?」 「え?」 セリナ「私は先生の匂いが好きです。安心して、安らかな気持ちになって、心が癒やされるような……大好きな匂いです。先生はどうですか?」 「私も好きだよ、セリナの匂い。セリナと同じで、安心して癒される、いい匂いだよ。」 セリナ「ありがとうございます。……そういえば、先生?いい香りがする人とは遺伝子から相性がいいって聞いたことがあります。私と先生は相性ピッタリ……かもしれませんね。ふふっ。」 先生も自分の匂いを好いていたことが嬉しくて、思わず笑みがこぼれる。全身を巡る幸福感が暖かくて、くすぐったくて、心地良かった。 ───先生がクソボケを発揮するまでは。
1 month ago
| 7
ワカモ ワカモ「貴方様ー♡ワカモがまいりましたー♡…あら?」 私がシャーレにお手伝いに来た時、珍しく先生は不在でした…辺りの様子を伺うと、シャワールームの方に誰かがいるようで…近づいて見ると、シャワールームの前に先生の服が散乱していた ワカモ「…貴方様ー?」 先生「ん?あーワカモ?ごめんね…少し汗かいちゃって今シャワー浴びてたんだ、あと少ししたら出るから待ってて」 ワカモ「はい、分かりましたわ」 とは言っても、このまま何もせずにただ待つというのも…そうです、先生が戻るまでにある程度掃除をしておきましょう…それなら先生も喜んでくださるはず…もしかしたら… 妄想の中の先生「ワ、ワカモ…私かシャワーを浴びてる間にこんなにも部屋を綺麗にしてくれただなんて…!なんて家庭的で気配りも出来る子なんだ!…結婚してくれ!」 ワカモ「も、もう貴方様〜♡…まずはお付き合いから…♡」 こうしちゃいられませんわ…私は急いで部屋の掃除にかかることにしました ━━━━━━━━━━━━━━━ ワカモ「ある程度片付きましたわね、洗濯物…を?」 最後に洗濯をしようと思った瞬間、私の視界にあるものが映る…それは ワカモ「…せ、先生の汗染みシャツ…」 私は気づけばそれに向けて手を伸ばしていた…そしてそれを自らの鼻に…って!私はなんてことをしようと! こんなことダメですよね… ワカモの心の中の天使「ダメですよ、そんなことをして先生にやらしい女と思われていいんですか?」 ワカモ「そ、そうですね…こんなこと知られたら…」 ワカモの心の中の悪魔「大丈夫ですよ、少しくらい嗅いだって洗濯物の匂いを嗅いでいたで誤魔化せます…洗濯をするのは自分の欲求に従ったあとでも遅くはありません」 悩んだ結果…私は ワカモ「す、少しだけなら」 私は悪魔の囁きに耳を貸すことにした…先生のシャツを鼻に当て、少し嗅いだ瞬間 ワカモ「〜〜〜!!」 天にも登るような快感が私の身体中に走る…これが先生の匂い…あ、あともう少し吸うだけなら… ワカモ「…はぁ…すっごい…♡」 私がすっかりその快感に酔いしれていると 先生「あれ?ワカモ?」 ワカモ「ひゃあああああ!?!?」 背後から先生に声をかけられた……しまった…私としたことが時間を忘れて夢中になるなんて…こ、こんなところ見られたら… 妄想の中の先生「…まさか人の汗が染みたシャツを嗅いで喜んでるとは、とんだ変態だな…」軽蔑 なんて言われたら…いや少し悪くないかも…って違う! 先生「…何して…ん?」 ワカモ「あ…コレハソノ…」 終わった…先生に嫌われた… 先生「…へー、ワカモってそういうことする子だったんだ」 ワカモ「…す、すみません…つい出来心で…どんな罰も受けるのでどうか嫌いにならないで…」 私がそう言いかけた時、突然先生に抱きしめられた ワカモ「あ、あぁああああ貴方様…?」/// 先生「…失礼…スンスン」 ワカモ「へっ?!」/// 先生が私の頭に顔を埋め、匂いを嗅いだ ワカモ「貴方様…い、一体…ナニヲ…」/// 先生「ワカモだって私のシャツの匂い嗅いでたでしょ、なら私がワカモの匂い嗅いでもいいよね」 ワカモ「そ、そうですけど…」/// 先生「うん、やっぱりいい匂いするね…」 ワカモ「は、はわわわわわ」/// 先生「…あー、やばいなこれ…もう我慢できないや」 先生は私をお姫様抱っこして仮眠室まで運びベッドに寝かせた ワカモ「…あ、貴方様?」 先生は私を覆い被さるように馬乗りになった 先生「…知ってるかい?お互いの体臭をいい匂いだと思う相手は遺伝子レベルで相性がいいんだって」 ワカモ「も、もしかして…」 先生「…うん、どうやら私とワカモは相性バッチリみたいだね」 ワカモ「そ、そうなんですか?…う、嬉しい…♡」 先生「私も嬉しいよ、けどね…勝手に人のシャツの匂いを嗅ぐのは見過ごせないね…だから少しお仕置ね」 ワカモ「おしおk…んむっ?!」/// 突如、先生に唇を奪われた… 先生「…れろっ…ぷはぁ…美味しかったよ、ワカモの舌と唇」 上手く頭が回らなかった…な、なぜ? 先生「…ワカモ、私はこれでも我慢してたんだよ、君みたいに可愛くてスタイルも良くて私に良くしてくれる女の子なんて…好きになるに決まってるだろう?…けど私も先生だからね、君が生徒である以上そういう関係にはならないと誓っていたんだけど…そんなことされたら…俺も我慢の限界なんだよね」 怖い…けど…それ以上に…期待している自分がいる…♡ 先生「キヴォトスは先生と生徒の恋愛はご法度じゃないからね…覚悟しろよ?」 ワカモ「…は、はい♡」 その後、私は先生が満足するまで身体を貪られた 先生「いっつもこのドスケベボディで誘惑しやがって!反省しろ!」パン! ワカモ「ぁん♡…申し訳ありませぇん♡」 先生におしりを叩かれる…その度に快感が電流となって私の身体中に流れるのがわかる… 先生「…よし…出すからな…中締めろ」 ワカモ「ひゃい…♡」 私は先生の腰に足を絡め、腹筋で中を締めつけた 先生「…まさかだいしゅきホールドもしてくれるなんてな…ありがとうワカモ…一緒にイこうか…」 ワカモ「はい♡来てください♡」 ズッチュズッチュズッチュ🍞🍞🍞‼️ 光よっ光よっ光よっ‼️ ドッピュゥゥゥゥドビュルルルルビュブブブブビュゥゥゥウ!! ワカモ「…幸せぇ…♡」トローン 先生「…ふぅ…ワカモ…少し乱暴にしちゃってごめんね?次からはもう少し優しくするから」 ワカモ「だ、大丈夫ですわ…私も…気持ちよかったですし…♡」 先生「…ワカモ」 ワカモ「…せんせぇ…ムチュ…クチュ」 その後、二人で仮眠室を掃除し、急いで仕事を片付けたあと、私はまた先生に抱かれるのでした…
1 month ago
| 8
ミカの場合 ミカ「先生!おはよー!って...あれ?」 ミカ「先生?いないのー?」 仮眠室にて 先生「スゥ...スゥ...」 ミカ「先生...寝てる?」 先生「スゥ...スゥ...」 ミカ「気持ちよさそうに寝てるね!もう少し寝かせてあげようかな☆」 先生「スゥ...スゥ...」 ミカ「先生...寝顔可愛い!もっと近くで見よっと☆」 添い寝するミカ 先生「スゥ...スゥ...」 ミカ「起きたら先生...びっくりしちゃうかな。エヘへ!まぁいっか☆」 ミカ「先生が寝てるなら...今なら先生を少し好きにしても...大丈夫だよね?」 先生「スゥ...スゥ...」 ミカ「スンスン...スンスン...エヘへ!先生の匂いだ!この匂い好きだなぁ☆」 ミカ「スンスン...ねぇ、知ってる?いい香りがする人とは、遺伝子的に相性がいいんだって☆」 ミカ「私は先生の匂い大好きだけど...先生は、私の匂いをどう思ってるかな?」 先生「スゥ...スゥ...」 ミカ「なら先生!私の匂いもたっくさんあげるね☆」ギュッ 先生を抱きしめるミカ ミカ「どうかな?私の匂い...いい匂いかな?」 ミカ「いい匂いだって思ってくれたら、嬉しいな☆」 ミカ「スンスン...スンスン...エヘへ!私は先生の匂い...とっても大好きだよ☆」 先生の匂いを楽しんでいた私は、そのあと眠くなっちゃって先生と一緒に寝ちゃった☆ エヘへ!先生の夢が見られるといいな☆ 数時間後 先生「ん...あれ?なんだろ...なにか柔らかい感触が...」 先生「それになんだか...とってもいい匂い...」 ミカ「スゥ...スゥ...」 先生「ん?って!ミカ!?どうして私、ミカと一緒に寝ちゃって!?」 ミカが横で添い寝してて混乱した私は、必死に昨日のことを思い出す 先生「あ...そういえば、今日はミカが当番の日だったっけ...」 先生「もしかして...起こしに来てくれたのかな...だとしたら、悪いことしちゃったな...」 ミカ「ん...ふぁ...あ...先生起きたんだ☆」 先生「うん!おはようミカ!ごめんね...私寝ちゃってたみたいで...」 ミカ「ううん!気にしないで!先生も毎日大変なんだし!ちょっとくらい休んだって大丈夫だよ☆」 先生「うん!ありがとうミカ!にしても、もうお昼すぎになっちゃってるな...」 先生「早く今日の分の仕事終わらせちゃわないとな...」 ミカ「うん!だったら私に任せて!精一杯お手伝いするから☆」 先生「うん!よろしくねミカ!」 ミカ「うん!それでね先生!今日のお仕事が片付いたら、私にご褒美くれないかな?」 先生「ご褒美?」 ミカ「うん!その方がもっと頑張れるかなって思うから!ダメかな?」 先生「いいよ!私にできる範囲でなら喜んで!」 ミカ「本当!やったー!!じゃあ先生!いっぱい頑張ろうね☆」 そのあと、当番の仕事を頑張ったご褒美に、先生を抱きしめて匂いをまた堪能しちゃった☆ 先生も、私の匂いはとってもいい匂いって言ってくれたし...私と先生の相性はやっぱり最高じゃんね☆
1 month ago (edited) | 15
カホの場合 百鬼夜行連合学院、陰陽部本館の離れで先生とカホはひたすらに書類と格闘していた。 締め切りを翌日に控えた至急の物、追加の報告が次々と押し寄せ情報が随時更新される物、連日のように舞い込む新しい依頼書。 既に先生はエナドリ5本目を本日開け、ハレも引くほどの血走った目で眼前の書類を倒していく。 “カホぉ…終わりそう…?” 「で…デッドラインが明日の物はあと30枚ほどで…」 先生と向かい合う形で足の低いデスクに書類を広げているカホは目元に隈を浮かべている。 “30…30かぁ…” カホの言葉を咀嚼し、飲み込む。が、理解はしようとしない。絶対に発狂するのが目に見えているのだ。 「先生…お気を確かに。この書類が終わりましたら何か甘味でも用意します。」 “いや、大丈夫だよ。気遣いありがとう…” ここ数日でイベントや企画が立て込むこととなり、そこに花鳥風月部が係わるトラブルと魑魅一座のいざこざが重なり百鬼夜行上層部は完全にてんてこ舞いとなっていたのである。 ニヤとチセもまた別件で百鬼夜行を走り回っており、手が離せる状況ではない。 百花繚乱も治安維持にと駆り出されており、必然、シャーレの先生に救援という名の書類整理係の依頼が舞い込んだ次第である。 そしてその先生も現在に至るまでの書類を片付け切っていなかったので、とどのつまり書類量が倍近くに膨れ上がったのだった。 「ではせめて、書類が終わった暁には今度行われるお祭りの特等席を用意させてください。報酬というには少々ささやか過ぎる気はしますが。」 “うん、それじゃあそれを楽しみに仕事を進めようか。” 先生は笑顔を浮かべると、天井を見上げた。 “それにしても今日は暑いね。” 真夏の昼時、太陽が残酷なまでにギラギラと離れを焦がしている。 外気温は40度に届くであろうとまで予報で伝えられ、空調をつけていても足りないくらいになっている。 “はぁ…” ネクタイを緩め、ボタンを一つ二つと外す。 バタバタとシャツを仰ぎ、服の中の熱を追い出す。 「先生、熱中症には気を付け…っ!?」 カホは先生へ目を向けると同時にすぐさま目を逸らしてしまった。 “え?あ、ごめんカホ。さすがにだらしなかったね。” 慌ててボタンを留め、ネクタイを締め直そうとする。 「い、いえ大丈夫です!そ、それほど暑いのでしたら、む、無理に着直さずとも、ラフな格好にしていただいて結構ですよ?」 “なんかカホ、声上擦ってない?” 「そ、そそそそ、そんなことございますか!?」 “言葉遣いも変だよ?” 「だ、だだだ大丈夫です!何でもありません!すぐに仕事を片付けましょう!」 “う、うん……” 息を一つ入れ、二人は作業を再開する。
1 month ago
| 6
ブルアカ反応集【ヒナ吸い愛好家】
「そういえばいい香りがする人とは遺伝子から相性がいいって聞いたことがあります」極度の先生匂いフェチになった生徒の反応
コメントやSSが集まったら動画化します。
うわぁ~ん! エラーのせいなのかコミュニティに投稿したはずなのに皆さんからは見えていないようなので再投稿します!
1 month ago | [YT] | 186